間に合ったから笑い話ですむわけで
男たちに大声でわめいてもらう。
だがまだ-私は決心した。
もしダメだったらもう1度沢を登ってタクシーを呼ぶ。
最悪の場合は北海道 旅行の集合場所である札幌に帰れなくても止むを得ない、室蘭泊りだ、と。
もう薄暗かった。
列車の前照灯がやおらトンネルから出てきた。
ホームに近づく。
車体がホームにかかった。
その瞬間、「来ましたきました」と男の一人の興奮した声。
次の瞬間、作業小屋の前の笹が揺れて、おばさまたちが一人、二人、おどり出てきた。
「オーイ!急いで!間に合ったよう!」
列車がピタリと止まったのと、しんがりのおばさまがホームにとりついたのと、同時だった。
さすが、タフでスリル好きのサークルのおばさまたち。
足はずぶ濡れ、ズボンは泥、腕には引っ掻き傷、という有様なのに、帰りの車内、口々に「おもしろかったわねえ!沢を降りてよかったわあ!」。
一方、タクシー派の佐々木さん、中川さん、乗ってこなかったので、いささか心配したが、かった、よかった。
伊藤さんたちは?
礼文駅で洞爺駅で乗りこんできた。