女性だからこそ
サッチャー元首相は、スーツのときでも下に必ずブラウスを着て襟を出したスタイルで、家庭の主婦がスーツを着るときによくやる、ちょっとブラウスの白い襟を出したり、襟にリボンを結ぶような、無難な格好であった。
スカートもタイトではなく、ギャザーかプリーツのたっぷりしたスカートで、スタイルよりも着やすさをねらっていた。
女らしいロマンチックなドレスを着ていた若いダイアナが、三十代に入ってセクシーなドレスを大胆に着こなすようになったのと同じく、サッチャーのドレスによる自己表現も自信が生まれると共に変化していった。
つまり、首相として自信がつくほどにスーツスタイルが身についていった。
もちろん体も年をとってくるにつれて少し体格が良くなり、イギリス人の太り方はやわらかい太り方ではなくてガッチリと太ってくるから、彼女の場合も、胸の厚さも肩幅も広くなって、かたい感じのスーツが似合うようになった。
けれどもスーツを着るようになったいちばん大きな理由は、鉄の女性、鉄の首相といわれるようになって、固い決断をしたり、強行な政策を立てるために頼りになるものがかっちり仕立てたスーツだったということなのではないでしょうか。
男っぽい格好、ビジネスライクにみえる服装、真剣さを形に表わすためには、スーツがふさわしかったのではないでしょうか。
上等なスーツを着て、女性として頑張っていてさえも、女性だということでずいぶん男にいじめられた、意地悪されたと、首相をやめてから書いたメモワールのなかで、泣きごとをいっています。
女性であるからこそ、マタニティウェアにも気を使うことができます。